インタビュー

「心臓の鼓動に合わせて生きる」壮絶な人生を送ってきた路上パフォーマーの常識に囚われない生き方

就職活動で感じた「あの時の快感を超えられることがしたい」

ーー幼少期とは一転して、大学卒業するまではまさにエリート街道を進んできたんですね。その後、海外に行くことになるわけですが、日本で就職しようとは思わなかったんですか?

就職活動自体はしました。僕はプレゼン能力とか人をインスパイヤーする能力が高いと思ってたんで、自分がどれだけ人に影響を与えられるか試したいという理由で就活したんですよ。就活って単にオーディションみたいなもんなので、僕が今まで乗り越えてきた苦労からしたら全然簡単でした。なんでもない。受けた企業はだいたい最終面接までいきました。

ただ、最終面接で自分の経歴について語って、「僕が1人で人間ができる最大値を引き出して、最大値の人間の力で、人々に僕の人間ドラマを見せて、周りに影響を与えて、一人一人に強く生きて欲しいんです。」って言っても、毎回いい大人が5人くらい並んで、顔を見合わせながら相談しあってるんですよ。必ず「君みたいな逸材は、うちの会社で君を面倒見切れるか分からない。抱え込める自信がない。」みたいなことを言われて(笑)相手が有名企業でも、答えは同じでした。

ーー「君は逸材だから、うちでは抱えきれない」と。笑

はい。「企業には何千人もいるのに、抱え込んでくれないなんて…」って思いましたね(笑)

ほとんどの企業から内定は貰ったし、大学の教授も目指せたんですが、なんか違うって思ったのは、僕がどの選択をしても牛乳をかぶって初めて人に笑われた6歳の頃の快感には到底及ばないことに気づいたんです。

あの時は、今思えば超負荷がかかってたんですよ。生まれてから6年間誰にも必要とされず、誰にも求められず、誰にも笑われずに生きてきたから、その6年分の負荷が牛乳をかぶって初めて笑われたというあの一瞬のためだけにあったんです。ものすごい快感を得た瞬間です。そう考えると、あの時の快感を超えるのは難しいと思いました。

ーー就職活動を通じて、自分のやりたいことが就職ではないことに気づいたんですね。

だから僕は、目の前に敷かれた就職というレールも全て投げ捨てて、自分に負荷をかけるために日本を飛び出して、挑戦しようって思ったんです。あの時の快感を越えれたのは、初めてダックマンとしてバケツドラムをした瞬間です。

ーー自分に負荷をかけるっていうのは、大事な選択をする時のベースになるんですね。

自分でも意識的に選択してます。最初にも言ったように自分でもなんでそっち選んだの?っていう選択を続けないと、人を驚かせたりすることってできないんですね。甘い選択したくないんで、条件が甘いなって思った瞬間その選択をしないって決めてるんです。教授にならなかったのもそうだし、就職しなかったこともそう。海外を選んだこともバケツドラムを選んだこともそうですね。

実は、笑わせるってことに関しても同じことが言えるんです。

ーーそれはどういうことですか?

感情の中で、笑うって相当難しいことなんですよ。怒るとか泣くとかって簡単に引き起こせるんですよ。例えば、今隣にいる全く知らない人の感情を言語もなしで動かすとするじゃないですか。怒らせたり、泣かせたりするのは簡単で、笑わせるって一番難易度高いんですよ。怒らせるなら殴ればいいし、泣かせるなら殴り続ければいい。でも、笑わせるってなると、いきなり変なことしても気味悪がられるだけだし。でも一番難しいってことは一番負荷がかかるってことで。

ーーまた、自分に負荷をかけるってところに戻ってくる訳ですね。

はい、そうなると僕のメソッドなんで。そこを攻略するのが僕なんですね(笑)

ーーそれって自分が生きてきた中で見つけた法則じゃないですか。これまでに尊敬する人がいたとかロールモデルがいたりしないんですか?

あー、よく聞かれるんですけど。今までにロールモデルを意識したことって一度もないんですよ。すごいバケツドラマーがいて憧れたとか、好きなお笑い芸人がいてお笑いを志したとかってこともないし。だから今もダックマンっていう世界に一つしかない職業をやってます。こういうレールに乗りたいとかがないんで、誰かが僕をレールに乗せようとした瞬間に「やだ!」って言って外れるみたいな感じです(笑)

TKエンターテイナーが目指すもの。「心臓の鼓動に合わせて生きる」

ーーTKさんにとって成功ってなんですか?

僕も分かってないんですけど、大手の企業に入るとか、取締役員になるとか、幸せな家庭を築いて並々な生活を送るとかって僕にとって、生きてるとは言えないんですよ。人生って波があって、生きてるって感じれると思っていて、心臓の鼓動のパラメーターと一緒で、上がり下がりを繰り返すじゃないですか?心臓がそうなってるんだから、心臓の動きに従うことが当たり前だと思ってるんですね。上がったら落ちるし、落ちたら上がるしっていう。この動きが平凡に一直線になったら、どういうことか分かりますか?死んでるのと一緒なんです。ピーって。企業の取締役になる。ある程度尊敬される人間になる。地元でも有名。ある程度幸せ。そんなんじゃ、死んでるのと変わらないです。だからそれを自分で下げて、下げたら上がって。上がって下がって上がって下がってっていうのが、鼓動と同じ人生だと思ってるんですよ。成功・不成功とかはあまり気にしてないけど、それが人生だって思ってます。

ーー動き続けるってことですね。最終ゴールなんてものもないんだ。何年後にこうなりたいとか。

あー、ないですね。目指そうと思えば、プログラマーにも動画のエディターも、お笑い芸人にも、マジシャンにもなれると思います。でもそれを全部やってこそ、エンターテイナーだと思ってます。努力の矛先をどこに向けるかがポイントになってくるんです。だけどやっぱり、どれか一つに絞るとなると「退屈なんじゃないかなぁ、負荷がかからないんじゃないかなぁ」と思って。やっぱ生きてるうちに人々に影響を与えたいんですよ。有名になって、ちょっとでも多くの人に知ってもらって、ちょっとでも多くの人を救いたいです。自分と同じような環境で育った子供達とかに希望を見せてあげたい。絶対パソコンの後ろで座ってる人にはなりたくないっていうのがあって、常に自分が代表として、自分がリスクを背負って前線で戦う人になりたいです。

ーー「人間の最大値を引き出して、人に影響を与えたい」。そう就活の時に面接官に伝えた言葉通りですね。

僕ができたってことは、絶対できるんですよ。お金もなかったし、強くもなかったんですから。自分の鼓動が打ち続ける限りは、誰かに影響を与えたい。幸せの価値観成功とか不成功は人それぞれなんで、自分の価値観を押し付けようとは思わないですけど、僕にとってお金が第一じゃなかっただけで。僕にとって負荷を自分にかけて、他人に影響を与えるってことが一番の幸せなんです。それで僕ができるってことを証明すればいい。僕自身、才能とかなくて努力型なんで、これだけできるよってことを証明できれば、「私もやろう」って思えるじゃないですか。それが一番やりたいことです。人々をインスパイヤーすること。それ以外のことはあんまり考えてないっすね。

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