【クリエイターインタビュー】日本を飛び出してNYで活躍するダンサー

略歴

Hiroko Kodaira|小平 紘子

ダンサー。2011 横須賀国際バレエコンクール奨励賞。同年THEバレエカンパニーオブ横浜に入団。 2012〜14年までカナダ、ドイツ、クロアチアなどにワーキングホリデーで研鑽を積む。 2015年からJoffrey Ballet Concert Group, Yuka Kawazu Ballet Company、American Liverty Balletなどでソリストや主要な役を踊る。

閉鎖的な日本を飛び出してカナダへ

写真:John Camino

ーー小平さんは現在、NY, NJのカンパニーでダンサーとして活動していらっしゃいますが、その活動を始めたきっかけを教えてください。

子供の時からバレエをやっており日本ではこれ以上の成長が難しかったからです。

ーーそれで海外で活動することを決めたんですか?

はい。もともと小さな頃から閉鎖的な日本のバレエの環境が合わないと感じていて、高校卒業の頃ずっと教わっていた先生と揉めてしまったんです。それによって最終的に日本ではバレエで行ける場所が無くなり泣く泣く海外へ行く事を決めました。

ーー高校を卒業していきなり海外ということに家族や周りの友人は驚きませんでした?

始め海外に行くと決めた時は周りも動揺があったし、家族も友達も大賛成ではありませんでした。相談出来る人すら周りに一人も居なかった。金銭的な負担も何もかもとにかく大変だし。高校生まで普通にバレエをさせて貰って、普通に高校生をしていたので自分には吐き気がするくらい考えられない変化でした。とにかく周りからの圧力や風当たりが苦しかったです。

ーー最初は大変だったんですね・・。

自分が海外へ出てダンサーをやろうなんてその時は到底想像も出来なかったしまだ日本で出来ない事をただただ未練に感じていたのですが、振り返ってみたらあれがターニングポイントでした。

ーー高校卒業後の進路を教えてもらえますか?

高校卒業と同時にカナダへ留学し、その後ドイツやヨーロッパの数カ所に渡り踊りや考え方の違いを見て勉強して、ニューヨークに来て今に至ります。

サバイバル精神はアーティストに必須

写真:Conrad Turner, with Yukari Osaka

ーーいろいろな経験をしてニューヨークに来たんですね。海外での活動を通じて心境の変化はありましたか?

自分の視野がいかに狭かったか、高校卒業後あのまま居たらどうなってたか恐ろしかったなと気付きました。プロになりたいと思いながらも漠然とどうしたらいいかも知れない環境に居た事が後で分かりました。ただよく分からないままガツガツやるのも好きじゃなかったので。

でも一旦海外に出て慣れてしまえば、それはそれで完全に一人で放たれて見た視点からの発見がありましたね。それは今までで一番新鮮な感覚でした。そこから段々、自分で考えて自分の感じたようにやるという強さが無いとやっていけないという本当に普通の事にやっと気付きました。海外ではよくみんなサバイバルって言うけど、本当はアーティストとしてやっていくならそれは持っていなきゃいけない皮膚感覚なのかもしれません。クリエイティブって多分そういう意味ですよね。

6月にNJにあるAmerican Liverty Balletのショーでソロを踊った時のもの

ーーなるほど。どの国でも自分で考える強さが必要ということですね。小平さんにとってNYはどんな街ですか。

NYは本当に色々な方が居るので、芸術関係だけでも違った方向や角度で話をする機会が増えますよね。それも大きなチャンスだと思うんですけど、普通の企業やスポーツの世界が今自分の職業との付き合い方や生産力とメンタリティの因果関係などを変えつつある中、商業芸術としてのバレエはまだまだ成り立ってないなと感じます。まだ色々と時代遅れと言うか。興味があり見たいお客さんは沢山居るのに、お金の動かし方やダンサーの売り方に問題があったり…。貴重な才能がそういう辺りの事で潰れていくのはせっかくやってるのに不本意ですよね。アートや娯楽って確かに生きてく最低限には必要の無い事なのかもしれませんが、クリエイティビティが欠けた社会の脆さはNYは特に一番敏感なような気がします。

ーー今後は、どんな活動をしていくつもりですか?

バレエダンサーとして腕を上げていきたいのは勿論です。まず自分の活動を広げてく事で手いっぱいなので、それを頑張りたいと思っています。それでもし出来るなと思ったら、バレエやアートを通して人を繋げたり 解放出来るようなコミュニティかスペースのような何かを作れれば良いなと思っています。

ーー小平さんの今後の活動も楽しみにしています。ありがとうございました。

ありがとうございました。

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勝俣泰斗 HOTDOG TIMES共同編集長。大学2年次に、ニューヨーク州立大学を成績不振で退学。帰国後の2年間、旅企画の引率や東京のゲストハウスの運営を経て、同大学に再入学。好きな食べ物はホットドックかと思いきや、ハンバーガー。

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勝俣泰斗 HOTDOG TIMES共同編集長。大学2年次に、ニューヨーク州立大学を成績不振で退学。帰国後の2年間、旅企画の引率や東京のゲストハウスの運営を経て、同大学に再入学。好きな食べ物はホットドックかと思いきや、ハンバーガー。